こんにちは。
今日は、好きな万年筆のインクが使えるボールペン、HERBIN(エルバン)のローラーボールのご紹介します。
外見
外見は一見すると普通の万年筆に見えます。
拡大すると、ちゃんとボールペンしてます。
普通のボールペンよりも、若干、万年筆に似たペン先をしています。
特徴
エルバンのローラーボールの最大の特徴は、万年筆のインクがそのまま使えるボールペンというところ。
エルバンから出ているカートリッジを使ってもいいですし、コンバーターを使って好みのインクを入れることもできます。
というより、これを買う人は好みのインクを入れるのが目的でしょう。
※お値段はコンバーター込みで1000円ちょっとという手頃さ。
ペン先から吸入はせず、コンバーターを直にインクボトルに入れて吸い出します。
コンバーターは長いので、あまり手を汚すことなく吸い出すことができます。
書き味
使うからには実際の書き味が気になるところです。
素晴らしい書き味、と言いたいところなのですが、普通のボールペンとは違い、使い方に若干のコツがいります。
それは、書く時のペンの角度です。
普通の水性ボールペンだと、90度に立てて書いても良い感じにかけますが、このペンは万年筆のように少し傾けて書く必要があります。
立てすぎて書くと、「あ、これなんか使い方間違ってるな」と即座にわかるほど字が掠れます。
もし購入されたら、良い感じに書けるようになるまで試し書きをしていただくのをオススメしたいです。
慣れればボールペンっぽい書き味なのに書いた感じは万年筆、という不思議な体験をすることができます。
筆圧はほぼなくて書くことができますのでなんとも例え方が難しい書き味です。
線が均一なのはボールペン譲り、インクフローは万年筆譲り、といったところでしょうか。
線の幅は少し太めです(0.7mmくらい)。
手帳に書くには少し太めなので、ノートなどに使うのが良いでしょう。
まとめ
このローラーボール、結局ボールペンと万年筆どっちよりか、自問自答を繰り返しましたが、万年筆寄りだと自分は思っています。
ペン先こそボールペンっぽいですが、書き味やインクフローや筆圧のかけ方など扱い方の癖は万年筆のそれです。
そのため、ボールペンとして買うと少しその独特な扱い方に戸惑いを覚えます。
ちょっと変わった万年筆を買う、という気持ちで買うほうが、書き味に満足できるかもしれません。
補足:HERBINはフランスの老舗メーカー
エルバンというのは日本ではあまり聞き馴染みがないですが、フランスでは1700年くらいからの伝統があるインクの製造元とのこと。
J.エルバンは1670年(ルイ14世在位時代)にパリで生まれたシーリングワックスとインクの老舗ブランドです。
船乗りだった創始者J.エルバンが、インドで買い付けた材料が飛躍的にシーリングワックスの質を高め、封ろうは欧州の流行に、そして習慣となり、王室の御用達となりました。
フランスを代表する高級香水瓶の封は、その誕生以来、一貫してエルバン社の製作によるものです。
1700年にはインクの本格的な生産を開始、1792年、最後の神聖ローマ皇帝フランツ2世戴冠の折にはエルバンのインクが献上されたとの史実も残されています。自然の中の豊かな色のイメージに着想を得たインクは定評を呼び、代表的な「ヴィオレパンセ」は、第一帝政時代から1966年までフランス全土の小学校で指定色として愛用されてきました。
フランス人が最初に指名するインクは、エルバン。これはナポレオン以来の国民的伝統でもあります。
(引用元:herbin | Quo Vadis Japan)
補足:ローラーボールはボールペンと何が違うのか
メーカーによって、水性ペンのことをローラーボールというようです。その場合、油性ペン=ボールペンという扱いです。
日本のメーカーはほぼ水性ペン・油性ペンという用語の使い分けをしますから、ローラーボールという呼び方をすることは稀ですね。
モンブランなどの高級筆記具メーカーではローラーボールとボールペンという使い方をしています。
(参考:優雅な筆記具 | オンラインショップ | モンブラン)