こんにちは。
文房具に限らず言えることですが、ものはこだわればこだわるほど使い手に良くも悪くも「アク」が出てくると思っています。
良くも悪くも、「おぉ、こいつは只者ではない...」感ですね。
人によってはそこまで目立ちたくないけど、自分なりのこだわりを筆記具には持ちたいという方もいるのではないでしょうか。
今日はそんな方におすすめのボールペン、KOKUYO ミストラルのご紹介です。
ミストラル
私が購入したのはシルバーのボールペン。
マットシルバーとシルバーのみで統一された外観が美しいです。
真鍮製であり、しっかりとした重みがあります。
結合部にはKOKUYOのロゴと製品番号が印字されていますが、凝視しないとわからないくらいさりげないワンポイントの加工。
また、ちょうどこの結合部がペン全体の重心となっています。
クリップは中央部分が微妙に山なりになっていて、胸ポケットなどに差し込みやすいデザイン。
正面から見ると、クリップ部分が先にさり気なく細くなっています。
ほぼ均一なボディラインですが、先端に近づくにつれてわずかな曲線を描きます。
これで1080円(定価)ですから、この美しさだけでも所有したくなるペンです。
このペンの個性
さて、丁寧な作りではありますが、ここまでであれば記事の題名ほどの特徴はありません。
このペンの特徴はペン先の繰り出し方にあります。
画像はまさにペン先を出しているところ。通常ではありえないような
ボディノックという機構を採用しているボールペンというのが、このペン最大の特徴です。
このボディノック機構、シャーペンには実はよくある機構です。
※トンボ鉛筆のオルノが有名でしょうか。
ただ、なぜかボールペンに採用されているのをあまりみたことがありません。
ボールペンにしては非常に珍しい機構です。
なぜボディノック機構のボールペンが少ないのか
ここからは推測なのですが、いくつか理由を考えてみました。
ペンを持ったまま繰り出しても結局微妙に持ち直すことになるから
この機構でペン先を繰り出そうとすると、どうしても斜めに持ち直すことになります。
画像は違うペンですが、ちょうどこんな感じ。
赤丸部分でペンを支え、青丸の部分を押してペン先を出す感じですね。
この後、すぐに持ち直すと、ちょうど万年筆を持つときのような斜め持ちになります。
シャーペンの場合にはその状態からすぐに筆記可能ですが、ボールペンの場合にはそこからクイッと下に持ち直す必要があり、ワンステップ筆記が遅れる手間が発生する、というのが考えられる理由の一つ。
ただ慣れればそこまで苦ではないので、本命の理由は次の理由だと思います。
ペン先を繰り出す頻度による問題
シャーペンの場合には、筆記中にもペン先を繰り出すタイミングが何度もあり、ボディノック機構の良さが十分に発揮されますが、ボールペンの場合、筆記中にペン先を出し入れすることはあまりありません。
ボールペンの場合、ペン先を出すのはペンケースや胸ポケットから出したタイミング、というのが多いでしょう。
そうすると、あまりボディノックの良さが活かせないんじゃないかなぁ、そこまでする意味ある?という結論に至ることが多いのでは。
それでもおすすめしている理由
と、ボディノックの機構が採用されにくい理由について書きましたが、それでも絶妙なメリットがボディノック機能のボールペンにはあります。
それは、ペン先を繰り出すときの動作が非常にさりげなく、迅速に行えるということ。
ペン先を出すときの動作が少し傾けて親指で押すだけなので、まず気づかれることはありません。
試しにこの機構を知らない人に目の前でペン先を繰り出す動作をしてみましたが、面白いほど気づきませんでした。
ペン先を出す時の機構が動く音もマウスのクリック音を少し鈍くしたような感じで、非常に小さい。
※ちなみに戻すときのほうが多少音が大きいです。
なお、ここまでは回転させてペン先を出すタイプ(繰り出し式)にも共通して言えることですが、繰り出し式に勝るのはペン先が出る速さ。
繰り出し式はどうしても回す手間がありますが、こちらは押すだけ。非常に早く筆記にうつることができます。
会社でヒリヒリするような緊張感漂う中でメモをするときがありますが、そのときに鳴らすノック音ほど響き渡るものはありませんからね。。。
またどうしても書き留めたいことを言っているのに、ゆっくり目立たないようにペン先を出そうとしていると結構恥ずかしいものがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は珍しい機構を持つボールペン、ミストラルのご紹介でした。
昔は多色のペンにハマっていたのですが、最近は単色のペンにこだわろうとおもい、色々と試しています。
どの機構の単色ボールペンを使うのが一番自分が心地よく仕事ができるのか、決まり次第またご報告できる機会が設けられたらなぁと思います。
編集後記
ボディノック式のボールペンが他にもないのか調べていたのですが、ほぼ同一形状のものを発見しました。
色こそ違いますが、クリップの独特のかたちが同一です。
これってKOKUYOさんがこの会社に発注したってことなのかな...?